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【外国人向け】日本人はなぜ「本音と建前」を使い分けるのか?その理由と上手な付き合い方

日本に住んでいると、外国人の多くが一度は戸惑う「本音と建前(Honne & Tatemae)」という文化。

「え、YESって言ってたのに本当はNOだったの?」「なんで正直に言ってくれないの?」と感じたこと、ありませんか?
この記事では、日本人がなぜ“建前”を大切にするのかという背景から、外国人がストレスなく日本社会で生きていくコツまで、やさしく解説します。

【外国人向け】日本人はなぜ「本音と建前」を使い分けるのか?その理由と上手な付き合い方

1. そもそも「本音と建前」ってなに?

本音(Honne)は「本当の気持ち・考え」、
建前(Tatemae)は「社会的に正しいとされる発言・態度」です。

たとえば、友人の料理がイマイチでも「美味しいね」と言うのが建前。
実は「ちょっと味が薄いなぁ…」と思っていても、それを直接言わないのが日本的マナーです。

日本では、「相手の気持ちを尊重する」「場の雰囲気を壊さない」ことが重視されるため、

本音をそのまま伝えることが“失礼”になるケースもあります。だからこそ、建前という文化が根付いたのです。

2. なぜ日本人は本音を隠すのか?

日本では、「和(Wa)=調和を大切にする文化」が根付いています。
自分の意見を強く主張すると、相手を否定したり、場の空気を乱したりする可能性があると考えるため、

あえて本音を抑えて「場に合わせる」ことが良しとされてきました。

また、日本語そのものが「曖昧さ」を許容する言語であるため、「NO」を直接言わずにぼかす技術が発達しました。

これは、歴史的に島国として“村社会”が形成され、長く同じ人間関係を続けていく必要があった背景とも関係しています。
「衝突を避けるために、自分を抑える文化」は、現代においても多くの場面で見られるのです。

 

3. よくある“建前”の例

  • 「行けたら行くね」→ たぶん行かない
  • 「また今度ご飯行こう」→ 特に予定はないが断るのも気まずい
  • 「検討させてください」→ たぶん断りたい
  • 「お時間あるときでいいので…」→ なるべく早くお願いします

こうした「やんわり断る・やんわり頼む」文化は、外国人にとっては非常に分かりにくいものです。

ただし、日本人同士ではこれが“通じている”ため、相手も悪気があって曖昧にしているわけではないという点は理解しておくと良いでしょう。

4. 外国人ができる“うまい立ち回り方”

  • 直接すぎる言い方は控える("No"ではなく"ちょっと難しいかも")
  • 空気を読む意識(相手が言いたくないことを察する力)
  • YESでも確信がなければ確認する("本当に大丈夫?"と二度聞きOK)
  • メールやLINEでは文末の柔らかい言葉を意識("〜かもしれませんね!"など)

また、職場や学校などフォーマルな場では、建前の比重が大きくなる傾向があります。
そのため、「本音が知りたい」と感じても、焦らず相手との距離を縮めることが大切です。

5. 本音を言える関係も大事にしよう

もちろん、全てを建前で過ごす必要はありません。
信頼関係ができてくれば、日本人も本音を話してくれます。

たとえば「こんなこと言ったら嫌かな?」という不安を取り除いてくれる相手に対しては、徐々に心を開く傾向があります。

あなたの方からオープンな姿勢を見せることで、相手も少しずつ本音を見せてくれるかもしれません。

6. まとめ:日本文化を知ると、暮らしやすくなる

「本音と建前」は、日本に長く住むなら避けて通れない文化です。
でも、だからこそ面白い。文化を知る=人を知ることでもあります。

正解はひとつではありません。大切なのは、お互いの違いを理解しようとする姿勢です。

この記事が、日本での人間関係づくりに役立てば嬉しいです。

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